七色セツナ。1




「で?

どうなんですか?

あの”王”は?」


仁坂が
洗い物のグラスを
手に取りながら、中山に聞いた。


「お前の言ってた通りだ。

・・・あんな恵衣は、初めて見た」


「今までと、毛色が違いますよね?

花凛は」


「新鮮なんじゃねーか?

恵衣に近付く、女とは違って……」


「いつもの悪い癖じゃなきゃ、
いーっすけどね?」


「信じられねーもんな?

恵衣が本気になるなんて」


その”王”が座るソファの前に、
テツヤと呼ばれた男と、
その女、ナナがいた。


「報告って?」


蒼夜が
テツヤに訪ねた。


「恵衣さん、蒼夜さん。

俺達、結婚する事にしたんです」


「え?ホント?」


蒼夜が驚く。



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