七色セツナ。1
「んーでも他に、
事務のオネーサン、
購買部のオネーサン、
学食のオバチャンフォルダも
あったような……」
コタが顎に手をあて、前の席の恭弥を見た。
「学食のオバチャンは、ねーよ」
恭弥は
スマホから目を逸らさないまま答える。
どうやら先ほど撮った、
ちょっと眠そうなピース写真と
学食で、
必死にきのことベーコンのパスタと
チーズハンバーグで悩む写真の
どちらを待受にしようか、悩んでいるようだ。
「花凛、オマエ気をつけろよ……」
呆れた声で、軽く恭弥を睨む朱羽に
「恭弥の行動は忍者並み。
お庭番衆もビックリな動きと情報量だよ」
「花凛、歴史モノにも手つけたな?
どんだけゲーマーなんだよ、オマエ」
今度はコタが呆れ顔だ。