七色セツナ。1



2人の表情が変わる。


「おしぼり、持ってきました!」


「あ、ああ。

花凛ちゃん。

おしぼりは
中山さんと仁坂さんに
持って行ってもらうから」


「え?でも」


「花凛ちゃん。

洗い物、代わってくれる?

空きグラス、
大量にあって重いだろうからさ。

俺が持ってくるから。」


と、中山が笑顔を作る。


「虎太朗が戻るまでに、
20分あるからさ。

あ、そうだ。

蒼夜が
相談したいことがあるって
言ってたから
洗い物しながら聞いてやって?」


「相談事……?

はあ、分かりました。

でも、お客様に謝らないと……」


花凛の行く手を、蒼夜が遮る。


「ああ、いいの。

あいつは大丈夫。

それより!

俺の悩みの方が深刻だから!!」



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