七色セツナ。1
「女にしてよ!
いいじゃない!
あんな小娘なんて
相手にするんだったら、私と!!」
恵衣が目を細め、微笑んだ。
女の傍に近付いて来る。
初めて
私に微笑んでくれた。
女が手を伸ばし、腰を浮かしたのを
恵衣は
煩わしそうに一瞥すると、
長い脚が空を切り
女の右手の甲を踏みつけた。
「いっ!!」
痛みで顔を歪ませた女に、
恵衣は更に笑う。
「お前は、ホントに馬鹿だな?
その手で、あいつにした事を忘れたか?
・・・こんなに汚ねエ手を……
俺が選ぶと思う根拠はなんだ?
・・・俺は、
頭も根性も悪い女を
傍に置く気はねーぞ?
とんだ勘違い女だ。
ここに来た時、
関係ねェと言ったはずだ。
これだけで済んでる内に出て行け。
二度と、そのツラ見せんなや。
・・・おい、この女放り出せ」