七色セツナ。1
「あの、悩みと言うのは……?」
花凛が
グラスを洗いながら、
向かい側のカウンター席に
腰を下ろした蒼夜を見た。
BOX席は
次第に客が減ってきて、
モチダは
ひと組の客と談笑している。
「うん。
俺の知り合いに、
傍若無人な男がいるんだよ……」
「傍若無人...ですか」
「いつも強気な発言でさ、...
まあ、実際強いんだけど
ワガママ言うし、
気に入らないと拗ねるし……
普通の奴が、それやれば
俺だってキレるけど、
頭は良いし、顔も良いし、
仲間思いだし……
だから手に負えない。」
「俺様系なんですかね?」
「俺様かあ……
そうかも。
と言うか王様だな、あれ」
「ん?」
「あーいや……
そいつがね、最近おかしくてさ。」
「どうしたんですか?」
「うん。
なんか気になっている子が
出来たみたいで……」