七色セツナ。1




「おお。

ロマンスですか」


花凛は
そう言って微笑むと、
蒼夜の前にウーロン茶を出した。


「ありがとう。

今まで、女遊びが
激しい方だったんだけど。

でも、誰にも
興味は示さなかったのにさ」


「女遊びは
どーかと思いますけど。

誰にも興味を示さないって……

寂しい人ですね」


「寂しい人かあ……

確かに、
背負うモノが多すぎるからな……

そういう反動なのか……」


蒼夜は、よく冷えた
ウーロン茶に口を付けた。


「私は背負うモノが
ほとんどないんで、
分からないですけど……

その人は、いろんな物を背負いすぎて、
一番下で踏ん張っているんですね」


「……」


蒼夜は
グラスを持ったまま固まった。



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