七色セツナ。1
「なっ!!」
花凛ちゃんが
真っ赤になったと同時に、
なぜか俺も
顔が火照るのが分かった。
長身で、程良く鍛え上げられた身体。
顔は彫りが深く、
すべてが美しい恵衣。
素の恵衣でも、かなりいい男なのに
今それに色気が加わって、
妖艶な雰囲気に纏われた恵衣に
落ちない女なんて
いるのだろうか?
「だ、大丈夫ですから!」
花凛ちゃんが
手を引こうとすると
「手首は?」
「手首?」
「蒼夜に、触られてただろ?」
え!?
俺!?
もしかして、部屋から出て行く時に、
引っ張った時の、あれ?
ヤバイ……
俺、五体満足で帰れるかな……
嫌な汗が、背中をつたう。
「あの!
ホントに大丈夫です。
もう、仕事に戻らないと!」
あの恵衣に
動じないのか……
恵衣の傍にいたい女なんて、
掃いて捨てるほどいるのにー
「なあ。」
「はい?」
「オマエ、俺の女になれよ」