七色セツナ。1
「刺されねーよ。
むしろ、俺は男だから
挿す方だしな?」
「出た!
ほろ酔い加減の下ネタ!」
「ホントの事じゃねーか」
「だから
恵衣さんみたいな人が
そういう事言うと、
余計卑猥に聞こえるんです!」
「フ...そうか……
覚えておくよ。
花凛……」
恵衣が
嬉しそうに花凛ちゃんの頭を撫でる。
あの恵衣が!
愛でるという言葉が頭を過ぎる。
「花凛、玉子焼きが食べたい」
「玉子焼き……」
「甘くない、あれ」
「あ、はい。」
「花凛ちゃん、俺も食べたい」
あ。
恵衣が睨んでいる。
「分かりました!」
花凛ちゃんは立ち上がると
「喜んで~!」
と、居酒屋の店員みたいなことを言いながら、
逃げるように部屋を出て行った。