七色セツナ。1
いつでも胸を張って、
鋭い眼光で世の中を見渡す。
やんちゃな男共が、
その大きな広い背中に憧れて、
付いて来るんだ。
ー恵衣の、あの姿。
ソファに深く体を預け、目を瞑っている。
あんな姿は、誰にも見せない。
男も女も、
その圧倒的オーラの前では、
まともに話せないくらいなのに。
あんな会話が
できる女の子に会ったことがない。
恵衣を、笑顔にさせる女の子。
それが、できるのはーーー
「なあ、恵衣」
「・・・あ?」
恵衣が
目を閉じたまま返事をする。
「確認。
恵衣のあのジャガー。
花凛ちゃんは
あれに乗れる女って事で
いいんだよね?」
恵衣が目を開き、唇の端が上がった。
「乗れる女、じゃねェ。
”乗せる”んだ」
ああ、その目。
恵衣の眼力で示すは、絶対的支配者。
誰も
逆らう奴なんていない、我らのトップ。
俺は
ソファから立ち上がると
従者の如く、深々と頭を下げた。
「・・・了解しました。
夜天使一同、全力で遂行致します」
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