七色セツナ。1




「そこの扉です」


扉のノブを回し、
女特有の部屋に
若干、嫌悪感を抱きながら
女をベットに座らせた。


「じゃーな」


女に背を向け、
部屋を出ようとドアノブに手を伸ばした時
携帯が鳴った。


見ると親父からで
俺は、その場で電話に出た。


俺の親父は、
長距離トラックの運転手で
今日から出発して、帰りは5日後
とういう事を知らせる電話だった。


お袋と離婚した親父と
二人暮らしだから、
親父は出発する時、忙しくとも
必ず俺に帰りの予定を連絡してくる。


「わかった……」


と返事をし、
今度こそドアノブに手をかけた瞬間
背中に、ドンと女が抱きついてきた。


「あ?」


振り向くと、
女が真っ裸で
俺に抱きついていた。



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