七色セツナ。1
「!!」
女の顔つきが変わった。
俺は笑みを隠さないまま言った。
「お前を抱くくらいなら、
俺も一人でやったほうがマシ。」
今度こそ、ドアノブに手をかけ、
扉を開きながら言った。
「それと。
二度と俺の名を呼ぶな。」
そう言って、ドアを閉めた瞬間、
女の泣き声が聞こえてきた。
俺だって、泣きてェ気分だよ。
演技までして
俺を誑かそうとしやがって。
もう女なんか信じねー。
決定的だ。
そんな思いで入学した、男ばかりの高校。
それでも女はいた。
俺のクラスには
優等生タイプの小さい女。
ノーメイクで地味な感じの女。
男を睨みつけてる、ちょっとキツめの女。
大人っぽい、ちょっとケバめの女。
始めは毛嫌いしていたが...
こいつらは、みんないい奴だった。