七色セツナ。1
表裏がない。
男ばっかりなのに、誰も媚びたりしない。
普通に接している。
特に
ケバめの女だと思っていた
花凛ちゃんは。
色っぽいからケバく見えるだけで
大きな声で笑うし、
趣味のゲームとプロレスの話をする時は
目をキラキラさせていて。
いつの間にか、
目で追っている事に気付かされる。
入学して1週間くらいした時
「あー!
プリント忘れたぁ~」
花凛ちゃんが
カバンを引っ掻き回しながら呻いていた。
あのプリント出さないと、
1週間居残りだって
昨日言われたばかりなのに
大人っぽい割に、抜けてんだな……
「俺、予備のあるけど」
珍しく、俺が女に話しかけた。
話しかけてから、その事に気付いた。