七色セツナ。1



表裏がない。


男ばっかりなのに、誰も媚びたりしない。


普通に接している。


特に
ケバめの女だと思っていた
花凛ちゃんは。


色っぽいからケバく見えるだけで
大きな声で笑うし、
趣味のゲームとプロレスの話をする時は
目をキラキラさせていて。


いつの間にか、
目で追っている事に気付かされる。


入学して1週間くらいした時


「あー!

プリント忘れたぁ~」


花凛ちゃんが
カバンを引っ掻き回しながら呻いていた。


あのプリント出さないと、
1週間居残りだって
昨日言われたばかりなのに
大人っぽい割に、抜けてんだな……


「俺、予備のあるけど」


珍しく、俺が女に話しかけた。


話しかけてから、その事に気付いた。



< 36 / 318 >

この作品をシェア

pagetop