七色セツナ。1




「え!?

ホント?

お願い!

それ下さい!!」


90度近く頭を下げられた
その時、ふわっと甘い香りがした。


シャンプーかな?


ボディクリーム?


嫌味のない、
くすぐる香りに、俺は大胆になった。


「・・・いいけど、その代わり。

それ、ちょーだい」


「え!?」


「それ、弁当でしょ?」


引っ掻き回したカバンから、
出てきた四角い包み。


「え、うん。

ああ、もうね。

プリント忘れてんのに、
お弁当は
しっかり持ってきてるという……」


ちょっぴり頬を染めて、
不抜けた顔をする彼女。


「なんか毎日学食だから、
飽きてきてんだよね」


「そうなんだ……。

いいのかな?

私が作ったのなんかで……」


俺は、その弁当をもらった。



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