七色セツナ。1
そう言って、ふんわり笑った彼女……
よく、胃袋をつかめって言うけど、
もうこの時、
俺の全部を鷲掴みにされた。
母親の愛情なんて知らない俺は、
もしかしたら、
甘えたいのかも知れない。
俺は、こういう女と一緒にいたいんだと
気付くのには
時間がかからなかった。
他の女にも興味があるように
見せているのは、カモフラージュ。
じっくりと、時間をかけて
花凛ちゃんが
俺なしではいられないようにする。
・・・ライバルが、多いみたいだし?
バスに乗ると
結局、席は空いてなくて。
俺の左側に、彼女が立ってる。
それだけならいーのに。
彼女の左側には、朱羽。
・・・また、オメエかよ……
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