七色セツナ。1



その看板のすぐ前。


1番後ろの席に
朱羽とコタが座っていた。


「なあ、朱羽。

こうやってみると、
俺らのクラスは
極端に女が少ねーんだな。」


3年は女子の入学が
なかったためにいない。


2年も
こうやって全体を見回すと、
1クラス5,6人。


1年の他のクラスは
7,8人はいる。


「ウチは、4人だしな」


「辞めたんだよ」


前に座っていた吉田が
話に混ざってきた。


「入学式前に、説明会があっただろ?

その辞めた女の子達の親が
一緒に来てて
あまりの男の多さに、
娘は通わせられねーって」


「は?マジか」


「転校とか……

ほら、隣の短大付属の女子高とか、
留学とかの形を取って、
ウチのクラスは3人減ったんだよ」


「で、残ったのが
ウチの4人の姫たちか……」


コタが頷いた。



その姫たち4人は、トイレに来ていた。



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