七色セツナ。1




「女子が少ないからこそ、面倒事もあるもんだよ」


と、珍しくユカが言い出したことだ。


ユカは
あの場にいなかったからこそ、
冷静に判断していた。


委員会でも
「女のくせに」という男もいるし
「女の子だから」と気を使う男もいる。


数人の女子が委員会でもいるらしいが
一人、女王様気質の先輩がいるらしく、
他の先輩や女子からは
「触らぬ神に祟りなし」と助言されたという。


揉め事は起こさない。


これは自分たちを守るルールだ、
とユカは言った。


4人は無言でトイレを出て
校舎から自分たちのクラスの席に向かった。


女子が少なく、
更に一緒に歩いている事によって
グラウンドにいる男たちの視線は、
その4人に向かっていた。


「木野沢さん」



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