七色セツナ。1
ユカに声をかけたのは、
爽やかなダークブラウンの
ふわふわヘアに
眼鏡をかけた男。
180cm近い身長で、
気品があり、物腰柔らか。
まるで王子様のような佇まいの、
我が校の生徒会長。
入学式での挨拶を見た女子は
瞬きを忘れていたほど。
花凛は隣に座っていた真季乃に
「2次元だよ、このレベルは。」
と声をかけた。
「そうかも……」
・・・これが、花凛と真季乃の初会話。
「あ、宏晃(ヒロアキ)先輩」
ユカが振り向いて、思いっきり見上げた。
「君は今日、
出場種目以外は
生徒会のテントで待機だよ」
「えっ?
それって、芹沢先輩が担当でしたよね?」
「・・・誰が
あんな香水臭い
ケバ女といなきゃならない……」
ボソッと吐き出された、
生徒会長のブラックなセリフは
ユカ以外の3人にだけ聞こえた。