七色セツナ。1




「芹沢さんは
腹痛で、体育祭は出られないと言っていたよ」


「腹痛って……」


「会長、毒でも盛った?」


「満面の笑顔がコワイ……」


美雪、真季乃、花凛は
爽やか生徒会長のブラックな部分を見せられて
その芹沢先輩に、いささか同情した。


「分かりました。

でも、私なんの準備もしていないんですが」


1人だけ気付いていないユカは、
生真面目に返答をしている。


「ああ、大丈夫だよ。

今日は大まかな指示を出すだけで、
あとは全て手配済みだからね」


「はい。

さすが宏晃先輩ですね。

・・・じゃあ、ゴメン。

私、生徒会のテントに行ってくるね」


ユカが3人を見た。


「あ、うん。

わかったよ」


3人は、ぎこちなく微笑んだ。


「悪いね、君たち。

出場種目の時だけ返すから。

木野沢さんは
リレーと二人三脚だったね……

じゃあ、行こうか」



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