七色セツナ。1



美雪は
スラッと背の高い
短髪の男の人と走ってきた。


あ、あれは……


オケ部の部長じゃないか……


二人共、ハニカミながら、
それでも一定の距離を保ちつつゴールして


「私の尊敬する人です……」


と、差し出されたマイクに
顔を真っ赤にして答えている
美雪が可愛すぎる。


青春だなー


さっきの団体戦争は、なんだったのか。


自分の順番を待つ間、
前のグループを笑いながら見ていた、その時。


「ねえ、あなた
1年2組なんでしょ?」


同じグループの2年生が声を掛けてきた。


「あ、はい。

そうです」


先輩は
金に近い髪を丁寧に巻いていた。



・・・走る気ないな?



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