七色セツナ。1
「仕掛け、だよ」
恭弥が
朱羽を見てニヤッと笑う。
「いらっしゃい、花凛ちゃん」
クラス中に見せつけるように、
恭弥は花凛の手を取って
自分に引き寄せた。
「オイ、恭弥何やってんだ!?」
「藤谷!ずりーぞ!!」
「ああー!篠原さんが藤谷の毒牙に!!」
クラスメイトのブーイングの中、
朱羽は無言で睨んでいた。
それを横目に、
恭弥は花凛の手を取ると指を絡ませる。
「ちょっと!
恭弥、この手は何!?」
花凛が手をブンブンさせながら文句を言った。
「一緒にゴールしなきゃダメなんだよ、花凛ちゃん」
「もお!」
その手を見せつけるように、朱羽を横目で見ると
「・・・じゃあね?」
と微笑んだ。
2人が係の前まで来ると
「その紙に書かれている内容を教えて下さい」
と言って、花凛にマイクを向けた。
「・・・銀髪の1年生」