七色セツナ。1
「OKでーす!
じゃあ、このまま
お二人でゴールまで
お願いしまーす!!」
入学して
まだ1ヶ月ほど。
2年生の中には、
チラホラ銀髪もいたが
1年では恭弥しかいない。
銀髪の恭弥が、
あまりにも目立ちすぎて
他が銀髪にしづらいというのもある。
「花凛ちゃん。
まだ誰もゴールしてないから、
走らなくても大丈夫だよ」
「あ、そうなの?
確かに、あの先輩
走る気全然なかったし」
「フフ。
あとの3人分は、超難問だし」
「え?
なんで恭弥が
そんな事知ってるの?」
「んー……
知らない」
「いやいや……
あ、そう言えば、箱を持って来た人ね?
前に絡んできた、せんぱー」
「ねえ。
花凛ちゃん」
恭弥の声のトーンが甘くなった。