七色セツナ。1
「真季乃ちんにバトンもらって、
美雪ちんにパスかあ。
こりゃ、本気ださねーと」
「ホラ、ね?」
恭弥のセリフに
花凛とユカはクスクスと笑った。
学年別クラス対抗リレーは、
一人200mを走る。
400mトラックを使うので、半周分走る。
「マスダくん、バトン頼むね?」
花凛は、
自分がバトンを渡す相手に確認した。
「うん、花凛ちゃん。
声かけてな?」
「……」
「・・・何ボーッとしてんだよ、朱羽」
コタが不思議そうに、朱羽の顔を覗き込む。
「あ?ああ」
「頼むぞ?」
1年生、1組から7組の1番手が、
スタート位置についた。
決して背が高い方ではないが、
真季乃のユニセックス感は
周りにいる男たちより目立っている。
バーーン!
スタートが切られた。