七色セツナ。1



ユカと
そのギャルが、
最後のコーナーに差し掛かった時……


ギャルの肘が当たり、ユカが転んだ。


「ユカ!!!」


一瞬、校庭に音がなくなった。


ガシャーン!!


静寂を破ったのは、陶器が壊れる音だった。


その音が聞こえた者は、音の元を見た。


生徒会長の足元には、
粉々になったティーカップ。


その会長は、
立ち上がり、ワナワナと震えている。


ユカは立ち上がると、
飛ばされたバトンを
ヨロヨロと取りに行き
痛みに歪む顔を隠し、走り出した。


「ユカ……」



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