七色セツナ。1



・・・前には3人。


抜かせなくても、抜かれなければいい。


そんなに差はない。


他のクラスにも、まだ女子が残ってる。


後は、残りの3人が何とかしてくれる。


花凛は、敢えて冷静に考える事にした。


「花凛ちゃん早えー」


「足なげーから」


2組の皆は
全員立ち上がっている。


マスダに、きちんとバトンを渡す事しか、
もう花凛の頭になかった。


3位の女子の
すぐ後ろについたまま、
最後のコーナーを曲がり、
バトンを渡すべきマスダを探した。


・・・あれ、いない?


「花凛!」


自分の名前を呼んだのは、次の走者のマスダではなく


そこで待っていたのは...朱羽だった。



< 81 / 318 >

この作品をシェア

pagetop