七色セツナ。1
・・・前には3人。
抜かせなくても、抜かれなければいい。
そんなに差はない。
他のクラスにも、まだ女子が残ってる。
後は、残りの3人が何とかしてくれる。
花凛は、敢えて冷静に考える事にした。
「花凛ちゃん早えー」
「足なげーから」
2組の皆は
全員立ち上がっている。
マスダに、きちんとバトンを渡す事しか、
もう花凛の頭になかった。
3位の女子の
すぐ後ろについたまま、
最後のコーナーを曲がり、
バトンを渡すべきマスダを探した。
・・・あれ、いない?
「花凛!」
自分の名前を呼んだのは、次の走者のマスダではなく
そこで待っていたのは...朱羽だった。