七色セツナ。1



そこには、生徒会長が立っていた。


「あ、宏晃先輩」


「ユカ、どこ怪我したの?」


「えっと……」


ユカはジャージの裾を捲くり、
右足の膝と、右手の平を見せた。


「血が……

血が出てるじゃないかっ」


周辺の温度が明らかに降下した
雰囲気に、皆は黙ってしまった。


「あ、あの今から保健室へ……」


美雪が言いかけると


「僕が連れて行く。

ユカおいで」


「えっ?会長が!?」


吉田がビックリすると
会長はユカを、お姫様抱っこした。


「なっ??ちょ??」


ユカはアタフタしているが、
180cm近い会長に抱っこされて
もう抱っこというより、すっぽり収まっている。


「宏晃先輩!

何ですか?これは!

なんの罰ゲームですか!?

・・・それとも、セクハラ……??」



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