七色セツナ。1
「それで、会長さんは?」
やっと美雪が口を挟めた。
「あのまま
ココまで運ばれて、
保健の先生は消毒と絆創膏で
大丈夫だって言ったのに
”あとが残ったら、どうするんだ”
って騒いで
ホームドクターに連絡するって……」
「ホームドクター?」
美雪が不思議な顔をする。
「うん。
宏晃先輩のおウチって、片瀬グループなんだよ。
お父さん、社長さんだって」
「ええ?
片瀬グループ?
一流会社だよ!」
花凛が驚きの声を出した。
「しかも、ホームドクターって、
片瀬グループが経営する
総合病院の先生、全員の事だよ?
そこの外科部長を呼ぶって言うから、
もう勘弁してくださいって言ったの」
「そ、そこまでユカの事を……」
真季乃の顔も引きつった。