七色セツナ。1
「ユカ。
もう痛くない?」
さっきまで噂の的だった
宏晃が入って来た。
「もう、全然大丈夫ですよ。
大げさなんですよ」
「何言ってるの?」
宏晃は
ベッドに座っていた
ユカの両脇に手を入れて、
持ち上げたかと思うと、
自分がベッドの上に座り、
ユカを自分の足の上に乗せた。
向き合う形になったあと、
ユカをくるっと180度まわし、
会長の広い胸が
ユカの背中をすっぽりと覆った。
その一連の動作に、
花凛と真季乃と美雪は
ぽかーんと
口を開けて見ていた。
「ちょっと、先輩!
ホントからかうの、やめて下さい!」
「このベッドは堅すぎる……。
これではユカの身体に
負担を掛けてしまう……」
ユカはユカなりに
もがいているのだが、
その身長差が、
なんの抵抗にもなっていなかった。