七色セツナ。1
「それと、
ユカが出る予定だった二人三脚。
あれは
もう出れないねえ」
宏晃がニヤリと笑った。
「え?
でも、このくらいならー」
ユカの言葉を遮り、
宏晃の視線が3人へ向けられた。
「阿部さんは、男性が苦手」
「え?は、はい」
いきなり真季乃に目線が行き、ビックリ。
「山口さんは、オケ部の準備」
「は、はい」
「篠原さんしか、いないね?」
「え!?」
なにがーー
そう、3人が揃って会長を見た時、
大人しくしているユカが口を開いた。
「宏晃先輩、
みんなの事、ご存知なんですね!」
「フフ……
僕は生徒会長だよ?
大体の生徒は把握している……
特に、1年2組はね……」
眼鏡の奥の瞳が、
怪しく光ったような気がしたー