花の下の草
「えーと、それでは、今日の体育はグラウンドで行うので、速やかに移動してくださーい。」
先生の声が教室に響き渡り、みんながグラウンドに移動した。どうやら徒競走をするみたい。といっても、私は走るのが大の苦手。とにかく、なんとか乗りきろう!
バンッという音で私は走り出した。しかし、走るのが苦手な私は石につまづいて、隣を走っていた理恵を巻き込んで転んでしまった。
「ごめんなさい!ほんとにごめん…」
「大丈夫だよ。気にしないでー。」
でも、理恵の膝からは血がにじんでいた。
「一緒に保健室行こう?たてる?」
「ありがとう。」
理恵は優しくて、可愛くて、話しやすかったからすぐに友達になれた。やったーと思いながら教室にいると、駿介に呼ばれた。
「ちょっと来てくんない?」
「え?あ、うん。」
どこに行くんだろう。とにかく、駿介についていく事にした。そして着いたのは、人気の少ない階段の踊り場だった。
「ケガ、大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫だよ。」
えっ、ここまで連れてきておいてそれだけ?嘘でしょー
「話ってそれだけ?」
「あ、いや、その、だから……」
「ん?なに?」
「好きだ。ずっと前から。お前のことが…付き合おう。ダメか?」
「ちょっと時間くれる?」
「おう。」
私は駿介を残して教室へ戻った。すると今度は先生が鬼のような形相で仁王立ちしていた。心当たりはある。テストのことだ。勉強は一切していなかったため、点数は最悪だ。
「お前は三階の理科準備室までノートを運びなさい。」
「はぁい。分かりましたー」
次の教科が理科だということもあって、
自分の教科書類も持った。
「よいしょっと」
あー、相変わらずこの学校は人が多いなー。
「あっ、」
教科書と筆箱を落としてしまった。急いで拾おうとしたその時、
「大丈夫?」
と言って拾うのを手伝ってくれた人がいた。
「あ、ありがとう。」
と、顔をあげた私はビックリした。なんと目の前に超絶イケメンがいたのだ。
「いえいえ、気をつけてね。」
はぁー、やっと天使が舞い降りたんだ。と、ふと我に帰った。
「うん、ありがとう。」
明日も会えるかなー♪
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