自由な私、不自由な私
Day5
Day5

今日も今日とて入院生活。ただし、退院日でもある。またいつものように病室にいる。ただ、違うのは、江田君がここにいることである。
「あれ?江田君。今日学校は?」
「わかんだろ?お前なら」
そう言うから心を読んでみると、心配になったと思っているらしい
「心配しなくても大丈夫だよ。病院だし」
私は心配してくれる心はありがたいと思ったけど、それで江田君が仲間はずれなされちゃうのは見るに耐えないからそう言ったのだけど、間違いだったらしい
「おれって頼りない?」
その言葉やめて!すごくキュンって来ちゃうから
ということを口に出せるわけもなく、ただただ、会話の弾んだ時間が過ぎていった

「お久しぶり、香澄」
そういった声がたくさん聞こえてきた
「あっ忍野軍のみんな!」
まぁ、ほぼほぼ忘れたけど、江田君の心を覗いたときに思い出した。
「みんな、元気にしてる?」
そう聞くと、もちろん!おうとも!という声がたくさん聞こえてくるあたり、本当に元気なのだろうなって思う。
「俺たち、忍野軍!香澄大将が窮地の時はこれを助ける!」
「というか召集なんでかけたかわかるか?」
江田君がそう聞くと
「ある程度はわかってる」
と代表格が言った。
「香澄大将がいじめを受けているから、ですよね?」
そうだ、と江田君が言うと私にこう質問してきた。
「なぁ、香澄。俺たち忍野軍を使えば、いじめは無くなる。どうする?」
正直その場でやってほしいと言いたかった。だけど、それはできなかった。なぜかといえば、わからなかった。ただ、それでやっても意味がなかった。
「あのさ、その解決方法ってどちらにせよ、暴力でしょ?暴力以外の解決方法にしたいの。お願い。協力して」
忍野軍のみんなは、最初戸惑ってたけど、すぐに理解してくれた。
「そうだ、香澄大将はいつもこうだったな!」
と言うとみんなそうだったそうだったといい始めた。
それでいいの、まだ・・・ね

「ねぇ。みんな、江田君と二人で話がしたいの。お願い」
そういうと、みんなよろこんでと言って帰っていった
「なぁ、香澄。話があるんだろ?」
そう聞いてきたのでそうだよと返した
「で、なんだよ」
「実はね、引っ越そうと思うの。同じ高校にはなると思うけど、少し、みんなから距離をおいた方がいいって言われたから。」
そういうと、江田君は少し悲しそうな顔をした。
「本当かよ・・・」
なぁ俺らさ




「もう一度だけ、付き合わないか?」





この言葉を聞いたとき私の頭のなかは真っ白になった。だって、一度別れた相手とはいえ、今も愛してる人にもう一回付き合おう何て言われて、いいえなんて私は言えない。
だけど・・・
「だけど、本当にいいの?私なかなか会えなくなっちゃんだよ?本当にいいの?」
私は自覚はしてないだろうけど、たぶん泣いてる。
だからだろうけど、
江田君は私のことを優しく抱き締めてくれた。
まったく力が入ってない訳じゃないけど、
強すぎもしない。
あのころが帰ってきた。そんなことを思ってたら、私の心の中のとまっていた時計が動き始めた。固まっていた氷を溶かすように・・・

「江田君・・・もう、一回、私と付き合ってくれ・・・ますか・・・?」
そう私が聞くと、彼はなにも言わずに、抱き締める力を少し、強くしてくれた。
「ありがとね、江田君」
私は、泣き出してしまった。
ただし、声はあげることなく………
私は彼の腕の中でも………泣いた……………
そしてその後、
「ごめんね、長い引き留めちゃって」
と私が言うと
「気にすんな」
とだけ言い残し、病室を去った。
また一人という、寂しい空間だけがそこにはあった。
そして窓の外を見てみると、そこには空を覆う雲があった。



そして、数時間の時を経て、私は自宅に戻ることになった。
ただ、学校はまだ控えるようにという医師の指令を受け、表向きはしぶしぶ、裏向きでは、大喜びをしていた。まだ、あの苦痛な時間は始まらない。それだけで十分救いだった……
ただ、心のなかは、まだ曇っていた……理由は…………分からない。すると
「すみません、香澄さん居ますか?」
と言って家に来てくれたのは、江田君だった。
「香澄。これ、参考程度に使ってくれ。今までの謝罪だと思ってくれればいい」
と言って、差し出してくれたのは、ノートだった
「これなに?」
「今日の授業。さすがに追い付いてないとまずいだろ」
といって貸してくれた。
私はそれをすぐに写し始めた。
「江田君って、勉強できる方だったもんね、そういえば」
「そういえばって失礼だろ……」
と言いつつ、笑顔な江田君。やっぱり、かわらないし、分かりやすいのは良いところ
「?どうした?」
って聞かれたから、何でもないって答えるも
「顔が赤い」
と指摘され、だいぶ恥ずかしながら、過ごしていた。
それから、少ししてのことである。私のことを江田君は、見つめていた。
「どう……したの?」
と聞くと、驚いた顔をした。まぁ、無理もないけどね。うん。
「べつに、どうもしないけど」
どうもしないなら、なんで、そんな顔するの?ねぇ、どうしてなの?
「嘘つき……」
私のこの一言が、彼に火をつけてしまった。
ボスッ
へ?
そう思っていると、
「俺をどれだけ煽れば気が済むんだよお前」
と言われ、しばらく私は固まっていた。自分の顔はきっと、真っ赤になってることだろうし、そうでなくても、きっと驚いてるんだろうなってことは思ってる。
「べ、別に煽ってなんか・・・」
私は自覚してなかったけど、これが煽ってるってことなんだよねきっと・・
そう思っていると
「・・・わりぃ、いきなりはびっくりしたよな。」
そういうと、彼は私を解放した。
「ノートは明日取りに来るから、それまで勉強しとけよ?」
と言ったから
「そんなことわかってるよ!」
と言い返してやった。
まぁ、正直言い返さなくてもよかったなって私は思ってる。
だけど、また明日も会いに来てくれる。それだけで、十分嬉しかった。
「ところでさ、今度暇ある?」
私にそういってきたのは、彼の方だった。
「え?暇はあると思うけど、どうして?」
私がそう聞くと彼は、皆まで言わすな。
と言ってから
「だから、デートしようっていってんだよ!」
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