ぶさいくな旦那様
ぶさいくな男



私とテオは昔から仲が良かった。


それぞれの親は一国の王とその妻であり、それぞれの国は和親条約を結んでいた。


親同士が元々仲が良かったため、小さい頃から何度も遊んだ。





「あなたたち、結婚しなさい♪」


「はぁ?」



自分の母が発した言葉の意味がすぐに分からず、すごく間抜けな声を出したことを今でも覚えている。


あんな声を出すのは、生涯で1回きりだろう。



お互いの家族で向き合って夕食をしていた時だ。


その日は私の誕生日だった。


前からお互いの家族で決まっていたことのようで、私とテオの両方が17歳になったタイミングで言おうとしていたのだろう。


ちなみに、その言葉を聞いた時のテオは、いつも以上にぶさいくな顔をしていた。



「“たち”って、私とテオ?」



分かりきってる事だけど、一応聞いておく。



「そうよ?」



当然のようにそう返された。



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