ぶさいくな旦那様
私の旦那様
「マリさん、本当にいいの?」
今日は、私の国の王国誕生祭。
これから私とテオの結婚が発表される。
「今更なに言ってるの」
なんで、私が告白した時は余裕あったのに今こんなに慌てているのか。
ちょっとやそっとのことではテオの弱さは治らないみたいだ。
私の言葉を聞いてもまだ落ち着かない様子のテオを見ていると、ついからかいたくなる。
「テオ、こっち向いて」
「ん、何?
って、わっ」
こっちを振り返ったテオのほっぺたにキスをする。
照れたテオの顔はぶさいくながらも可愛い。
「緊張解けた?」
大体、この私に告白されといて今更何を緊張するのかしら。
これからの私との生活に緊張するならまだしも、国の皆さんにお知らせすることに緊張するなんて。
「マリさん、いきなりそういうのやめてよ!」
顔を真っ赤にしながら怒られても、全然怖くない。
「やーよ、あなたをからかうのは楽しいんだから。
ほら、そろそろ出番よ、行きましょ」
テオを追い抜かして前を歩く。
「あっ、マリさん待ってよ!」