ぶさいくな旦那様
「テオは私と結婚できたら嬉しい?」
「うん、まぁ。
でも、僕はマリさんが嫌がる事はなるべくしたくないなぁ」
控えめで、いつも私の後ろを着いてきたテオ。
優しいことも知ってる。
きっと、結婚したら楽しい。
きっと、幸せになれる。
「マリさん、急がなくてもいいんだよ、あとひと月もあるんだから。」
「それだと、テオが可哀想だわ。
私の言動に振り回されすぎよ。」
「僕は構わないよ。」
「あなたが良くても、私はダメなの。」
自分の言葉にだんだんトゲが付いてくるのがわかる。
テオが言ってくれる言葉は、私の心に確かに入ってくるのに、どうしても響かない。
「私、ちょっと1人で考えてくるわ。
ゆっくりしてていいわよ」
「マリさん、待っ」
バタン
私は音を立てて扉を閉めた。