大切なものを選ぶこと

-美紅side-




──「いつまでこんな生活続けるつもりなの…?」





碌にご飯も食べていなくて意識も朦朧としている中でポツリと呟く。




悠太に軟禁されるようになってから一週間と少し、秋庭さんと別れてから一か月近く経ってしまった。




悠太は言っていたように飴と鞭で私を傷つける。




暴力は振るわれるし、外には決して出してくれない。




それなのに…優しく、壊れ物を扱うかのように私を抱く。






「美紅があいつのことなんか忘れて俺だけを見てくれるまでだよ」





「…………………」





「あんな男より俺の方がいい男だろう?なぁ!?」





「……………ッ」






この人は普通じゃない。




頭がおかしい。





でも…悠太をこんな風にしてしまったのは私の責任でもあるから…。














だから、もう










「……一緒に死のうか、悠太」




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