大切なものを選ぶこと
悶々としながらバイトをこなし、店長に最近の働きすぎを心配されながら帰路についた。
──そして、アパートに着いてドアを開けると…
「「………!?」」
知らない女と悠太の双眼が私を見た。
悠太は上半身裸で、女は全裸。何をしていたかなんて一目瞭然だ。
「どういうこと…?」
震える声を絞り出す。
悠太に対する愛なんてとっくに冷めていて、悲しいなんて感情はない。
でも…こんな形で裏切られるなら…何のために私は必死に働いているのだろうか…
──溜まりに溜まったものが爆発しそうになったその時…
「見てわかんねぇのかよ!!今いいとこなんだから出ていけや!!」
「ッッ」
怒声とともに飛んできた雑誌。
何もできず、何も言えず、黙ってその場を後にした。