夜蝶
学校行くの憂鬱だ。



お母さんがこんな状態で仕事行って心配。



お父さんは昨日のあれから一言も喋らないし私達も喋りかけられない。



ただ重い空気だけが流れてく。



最初にお父さんが仕事に行き次にお母さんが行く。



それからお姉ちゃんが仕事に行き、私が1番最後。



『仕事行ってくるね。』




お母さんは、少し元気なかったけどそれでも明るく振る舞ってた。




それが余計に心苦しくて。悲しくて。

『気をつけて頑張ってね!!』


 
私も笑顔でお母さんを送り出した。


連絡先知ってるの私だけだから




お姉ちゃんが『アイツの事よろしくね。』って私に珍しく頼みごと。



お姉ちゃんは、元々そんなに自分が思ってること口に出さない人だけど




でも心配してるのは凄く分かる。



お姉ちゃんが長女で一番上だから
お兄ちゃんの気持ちを1番分かってると思う



みんなを送り出したから、私ももう行かなきゃ。



気持ちが沈んでる所にこの大雨。
憂鬱だ。




重たい足で学校に行く。



それから美菜との会話や授業内容、全然覚えていない。



うわの空だ。



いつの間にか授業が終わって、今日はバイト。
ダッシュでバイト先に向かう。



バイトしてる時はお客さんの笑顔や会話で元気になれるから凄く好き。



『いらっしゃいませ〜』



『いらっしゃいました〜(笑)』



『お姉ちゃん、温泉とか行く?これ割引券!たくさん持ってるから4枚あげるよ(笑)』



えっ!?温泉ッッ♨



めちゃめちゃ欲しい…‼



『えっ!?温泉行きます!大好きです!いいんですか!?』



『良かったらはい!』



『ありがとうございます〜!♡』



『じゃ、後もうちょっとバイト頑張ってね〜』



『はい!ありがとう御座いました!』



良い人だなぁ。



バイトが終わって、現実。家帰りたくないなぁ。
< 10 / 106 >

この作品をシェア

pagetop