夜蝶
ピンポーン
『よっ!久しぶり!!』
ガチャっ
『わぁ〜!久しぶり〜!元気だった!?』
『元気元気〜!!』
『さ、早く中入って♫』
『お邪魔しまーす!』
タッタッタッと
玄関に向かって走ってくる音がする。
この音は…
『わー!!ここちゃん!!可愛い〜!
ポメラニアンってなんでこんなに可愛いんだろう〜!』
ヨシヨシして抱き寄せると私の服に毛がたくさんついてるのを見て私はクシャミをした。
『へっっくしょん!』
『あー、駄目だ。アレルギーがまだ治らん。
たくさん触りたいのに〜』
涙目になりながらもここちゃんを手放した。
それから私は、目を真っ赤にしてクシャミと鼻水がしばらく止まらなかった。
『大丈夫?』
『大丈夫!大丈夫!治ってきたから(笑)』
『それでは、本題に入ろうか。』
恵梨香は、急に真面目な顔になった。
『ごめんっっ!!私、亮太に連絡先教えたの私!!ほんとごめん。』
亮太[りょうた]とは、私の元カレ。
『あーそんなのいいよ全然気にしてないよ!』
『でも…』
『でもじゃない!いーから!』
『それで、亮太になんて言われたの?』
『お前と別れて正解だったって。
俺と別れてすぐ彼氏出来て尻軽女。
ほんとゴミ女。
って言われて今までのプリクラとかを燃やしてる画像が送られてきた。』
『そうだったんだ…。
実はね、久玲愛と別れてからアイツすごい病んでて、
久玲愛と同じ髪色にしたり薬で死のうとしたり。悪い方にいこうとしたり。それに、、盗難して、逮捕されたんだよ…。』
『だから、こんなこと言うのも違うと思うんだけど、亮太の気持ちも分かって欲しい。』
『そうなんだ。』
正直そんな事する人の気持ちが分からない。
だって、私は今まで本気の恋愛なんてしたことないんだもん。
でも、それほど私の事愛してくれてたって事なのかな?
全然知らなかった。
『まぁ、今日は嫌なとこ忘れて遊びに出掛けましょ!!』
『そうだね!!』
『久玲愛は、何して遊びたい?』
『今日はプリクラ撮って〜雑貨屋さん見て〜カラオケって感じかな!笑』