夜蝶
バイト先の駐車場に黒いセダンが駐車する。
わたしは、その車に向かって一歩一歩近づいていく度に、心臓のドキドキが止まらない。
なんて声をかけよう。
いきなり助手席に座ってもいいのかな??
でも後ろに座ったら変だよね??
そして、助手席に手を伸ばす。
『ヤッホー』
『おー!ヤッホー!遅くなってごめんな?』
『ううん!全然大丈夫だよ!さっきね、コンビニ行ったら、変な人いたの〜。
暇だったら遊ばないかって。私べつに可愛くもないのにねぇ。あの人目腐ってるのかな?』
『おい、ナンパされたんか?ってか、コンビニ寄ったん??フラフラしないの!!』
『寄りました。ナンパされました。すみません。』
『お前かわいーからフラフラすんなよ。』
ポンポンと頭を撫でられる。
か、可愛い???こんな私が??
このポンポンされるの好き。
『今日、映画見るんだったんだよな。何見る??何時からか調べとかないとな。』
『俺、アクション系が一応いいなーって思ったんだけど、久玲愛は??』
『わたし、いまディズニー系の観たいなって思ってたけど、全然あの、、アクション系も好きだからいいよ!!』
『いや、ディズニー系にしよう。久玲愛の観たいやつを俺は見たい。』
『え??いいの???』
『いいんだよ。
これだよね!【羽獣の子】今からだと〜、2時からのが1番いいかな!!じゃあ、行くかね!!』
『うん!!ありがとう!!』
映画館へと移動。
ここは、田舎なので映画館までは1時間弱は、かかる。
緊張して自分からは、なんも話せない。
『久玲愛は、どんな人がタイプ??』
廉みたいな人。なんて言いたいけど恥ずかしくて言えない。
『優しくて面白い人かな。』
『俺は、久玲愛がタイプ。』
〜〜〜っ///
なんで、そんな事スラッと言えるの??///
『わ、私もだよっっ//』