夜蝶
『おぉ、元気だったか〜〜。天祢(あまね)は上か??』
『はい!!!』
廉がそう答えると、周りから
"廉さんが来たぞ"
"隣の女性は、彼女さんかな!?"
"廉さんにもやっと…"
ちらほらそんな声が聞こえる。
そして、ヤンキーたちが廉のことを慕っているのは見てわかる。
私は廉に手を繋がれたまま上へと連れて行かれる。
総長室…??
そう看板には書いてあった。
廉は、そこにノックもせずに開けた。
『天祢。久々だな。』
『廉さん!お久しぶりです!!その方が彼女さんですか??』
『あぁ、さっき話したがちょっとここの部屋を貸してほしい。』
『良いですよ!ごゆっくり〜〜』
そう言い天祢さん?は、どこかに追いやられてしまった。
こんな立派な倉庫に勝手に入りながら、こんな良い部屋を人を追い出してまで居ていいのだろうか。
廉が、やっと手を放して私の方を向く。
『驚かしちゃったな。
ここは、霧生(きりゅう)っていう暴走族の倉庫だ。俺はここの2代目の総長をやってた。』
そう言って、ある所へ廉は指をさした。
初代から2代目へと3代目の名前が彫られている。
2代目の如月 廉と確かに名前がある。
廉が総長やってたんだ。でもなんか納得。
オーラ的なものが漂ってるもん。
『少し長くなるけど俺の過去聞いてくれるか??』
『うん。聞くよ。』