夜蝶
おれが14の頃、両親があまり仲良くなかったんだ。
だから俺、外で喧嘩ばかりしてた。
暴走族とか興味なかったから、有名な人とかグループとか知らずに手当たり次第
喧嘩売ってた。
道端で俺が気失いそうになっていたら
『霧生(きりゅう)の菅原(すがわら)悠斗(ゆうと)だ。
お前なんの為に戦ってる?
誰かを守る為に戦え。』
そう俺に言うが俺は興味ない。
『仲間なんていらねぇ。』
当時の霧生の総長
菅原悠斗さんは、この辺じゃ物凄く強くて華麗な動きをする為、別名"舞蝶"と呼ばれていた。
あれから、悠斗さんは俺に付き纏ってくる。
『霧生に入れ。』
『はいらねぇっつってんだろ。いい加減にしろよ。』
このやり取りを何十回…
いや、何百回か…。
ほんと、悠斗さんはしつこい。
顔に似合わずしつこい。
悠斗さんは、カッコイイ。モデルみたいだ。
??『悠斗、どうしてアイツをいれたいんだ?』
??『そうだよ。嫌がってんじゃん。無理に入れる必要ねぇって。』
??『俺は…どっちでもいい。』
??『俺は、仲間にしたーい☆』
『龍牙、優太、俺は廉を救ってやりたい。』
『でもなぁ。本人が嫌だって言ってんだろ??』
『意地になってるだけだよ。』
『俺は、廉と同じ名前だから運命感じる〜〜☆』
『蓮は、嬉しそうだな。怜太は…どうでもいいんだよな(笑)』
俺と同じ名前のやつが居るのか。
無関心そうにする怜太。
俺とは一切目を合わせない。
『れーーーんー。』
『あーーーもぉっ、分かったよ!!!入るよ!!入りたいです!』
『おっ!まぢっ!?』
『じゃっ、今から倉庫行くでーー。』