夜蝶
episode5◆
覚悟
廉と待ち合わせ中。
いよいよ今日か。廉がこっちに来てくれる。
私は廉に過去を話さなきゃいけない。
廉に嫌われる覚悟で。私のすべてを話さなきゃいけない。
例えそれで、廉と別れることになったとしても…
……廉が来た。
大きく手を振る。
廉が車の窓を開けたと同時に
『廉っ!おはよ!』
『久玲愛っ!おはよ!!』
ほぼ同時にタイミング良く挨拶をする。
息がピッタリ。
『あははははっ!!タイミング一緒とか俺等仲良しかよ!!(笑)』
『それな!!(笑)』
『廉、ここに車停めといてもいいからちょっと歩かない?散歩しよっ!』
『おぉ!散歩いいねッッ!』
廉が、車から降りてくる。
もう降りてくるこの瞬間ですら、格好いい。
1番は、運転しながら煙草吸ってる姿がめちゃめちゃ格好いい。
『この辺本当田舎で良いよな〜。地元行くと交通量多いし建物多いから運転すると目痛くなる。
こっち来ると本当目疲れない(笑)』
『あぁ、確かにそうかもね(笑)
しかも廉あまり目良くないから余計疲れちゃうかもね。』
『そうなんだよな〜。』
私は廉と出会ったあの公園に行く。
まぁ、出会ったのは公園の前の道路で…
なんだけど、立って話すのも疲れちゃうから公園の中に入る。
公園の中には屋根がついて椅子やテーブルもあり、そこへ座る。
『確かここって、俺等が出会った公園だよな?』
『そうだよ。
…ねぇ、廉?
私…廉に話さなきゃいけない事あるんだけど、、ちょっと長くなっちゃうけど聞いてくれますか?』
『いいよ。お前のことならなんでも受け止める覚悟…あるから。』
受け止めて…くれるのかな?
こんなに汚くて、あんな私の過去聞いたら引いちゃう気がする。
『大丈夫。俺を信じろ。何言われたって俺はお前から離れていかない。』
まだ何も言ってないのになんでもわかっちゃうんだなぁ…
深呼吸して気持ちを落ち着かせる。