夜蝶
『それから…約三週間施設に居たんだけど、
やっぱりあ~ゆう所ってそれぞれ色んな問題を抱えてる人達だから、
わたしだけじゃなかったんだって。
少し安心した。
担任の先生も色々、教科書とか持ってきてくれたり、わざわざ遠い所まできてくれたんだよね。
家に帰れるってなって、3週間ぶりに家族に会えたらお母さんがやっぱり泣いて抱きつかれた。
"元気そうでよかった"
あとで聞いたら、家が少し落ち着かない限り帰れないんだと。
電話すら駄目で、勿論施設に居るときは家族にすら会っちゃいけないとか
色んな決まりがあったらしい。
それから、家の現状をお母さんが話してくれて。
私は衝撃的な事実を知った。
それは………
お父さんは借金から、逃げていたこと。
そして、女の人からお金を借りて体関係もあっただろうってこと。
総額1000万以上
どれだけお母さんを傷付けば気が済むんだ。
流石にこればっかりは、お母さんも……
"離婚"
そう思っていた。
でも、、
"離婚も考えたけど、お父さんは一人では生きていけない人なの。
お母さんは、お父さんと一緒に生きていく"
そうお母さんは言った。
お母さんがそう言うなら従うしかない。
勿論、複雑な気持ちだった。
生きるって何?
神様はこんな仕打ちをするの?
どこまで私たちは墜ちれば良いの?
だからあの日、死のうと思ったの。
いや、あの時は無意識だった。
死のうと思ってたんじゃなくて
頭ん中が死にたい死にたい死にたい
そう思ってたんだ。』