夜蝶
??『やっぱり居たわ。』
??『おい。女も居るんだろ。』
『さっき帰らせた。お前等が来ると思って。晴人(はると)の下っ端についてるんだろ』
『なんだ。知ってたんか。なら話ははえーなッッ。』
話してる最中に殴りにかかるなんて卑怯だ。
しかも木刀で殴りかかろうとしていた。
廉はそんな事も気にせず、すんなり相手の攻撃を避けて、1発お腹に拳をくらわした。
「ゔっっ。」
お腹を抱えて倒れ込む。
「調子乗ってんじゃねーーよっ!!」
「おらああぁぁぁ"」
ちっ。うるせぇーな。
いちいち声出さなきゃ喧嘩出来ねぇのかよ。
またお腹を1発くらわせて数人相手を瞬殺。
俺はしゃがんで、相手に言った。
『ボソッ俺は、紅蝶だ。晴人に言っとけ。オメェが俺んとこ来い…とな。』
『ひぃぃぃいいいい。そんなん聞いてねぇーぞ!!おめぇら帰るぞ!!!あの赤蝶なんてかなわねぇ!!』
そう言って男たちは帰っていった。
『久玲愛ー。おいで〜。』
いつもの廉に戻ったから
私は廉に恐る恐る近づく。
『ごめんな?怖がらせたな。』
いつものように頭を撫でられる。
私はそれをされると警戒心がなくなる。
『ううん!大丈夫!!廉カッコよかった!!!』
『でも、なんか怯えて帰っていったけど廉なんか言ったの???』
私はふとそんな事を言ってしまった。
『いや?ただ紅蝶を名乗っただけだよ。』
『そうなんだ。』
一瞬だけ廉が悲しい顔をしていた気がした。