夜蝶
「晴人は、俺のせいで…。
俺のこと恨んでるだろうから…」
「でもあれは」
「いや、オレのせいだ」
そうだ、あの時俺はまだ総長になって未熟だった
全国1位になる前の話
晴人と向き合うのを諦めた
言っても分かんねぇと思って、ちゃんと向き合わなかった
ちゃんと証拠を残して晴人に現実と向き合わせるべきだった
それを中途半端にしてしまって、
俺は晴人の彼女である"優香"に
晴人を本当は好きで付き合ってんじゃねーんだろ。
霧生の"総長の女"の場所が欲しいんだろ
そう言った
そうしたら、次の日
晴人が俺に殴りにかかってきた
俺は片手で止めたけど
優香は俺に
"なんであんなこと言うの!?!?酷いよ廉さん…"
優香は泣いていた。いや、泣いたふりをしていた
俺は見逃さなかった
泣いたふりをして、不気味な顔で笑っていた優香の顔を…
晴人は、俺の話を聞こうとしなかった
そのまま晴人は、霧生を抜けた
優香と共に。
俺と晴人はそこから会うことはなかった
「とりあえずまぁ、いま優太と蓮には連絡入れたけど、久々喧嘩したいから来るってよ」
「ん、わかった、ワリィな」
「廉が謝るなんて空から槍でも降ってくるんじゃねーか??(笑)」
「おい、お前も俺を馬鹿にすんのか」
「お前もって…だれかに馬鹿にされたの?」
「いや、何でもねぇ」
「取り敢えず、明後日の21時に鬼才の倉庫に襲撃するから、20時半に霧生の倉庫に集合な」
「はいー、了解でーす」