秘密の契約
「あーあ、授業始まっちゃうじゃん」
予鈴がなった。
結城くんの周りにいた女子達は、
「じゃあ、また後でね〜」
「ばいばい、結城くんっ♡」
手を振ったりウインクをしたりしながら離れていった。
ようやく自分の席に座れる…。
私が腰を下ろして、授業前の担任の話を聞いていると、隣から何やらずっと視線を感じた。
見ると、
「…な、なに?」
じっと私を見つめる結城くんと目が合った。
彼は、ムスッとした表情をしたまま、
「美琴は嫌じゃないの?」
「は?」
意味のわからないことを言ってきた。