秘密の契約
「ゆ、結城くんっ!」
学校なのに。
吸血鬼の姿になりかけてたんだから。
私は、ポケットから手鏡を取り出して、結城くんに見せつけた。
「ほら!見て!こんな所でその姿になっちゃダメ!」
結城くんの反応はない。
というより、ポカーンとしていた。
私は、「もぉ!」と言って、結城くんの魔力が弱まった隙を見て席を立ち、彼の後に立って、鏡を見た。
するとーーー
「……え」
鏡に結城くんの姿は映っていなかった。
いや、確かにここにいる。
私の目の前に!
なのに鏡に映っているのは私の姿だけーーー
全身の血の気が引いたような気がした。
結城くんは、パッと手鏡を下ろし、