秘密の契約




「ヴァンパイアは自分の反射した姿、見れないんだ」



首を後ろにして言った。





結城くんは人間じゃないんだ。

分かってる。

分かってるはずなのに…





身体の震えが止まらなかった。



「…怖い?」



ううん、
そうやって即答したかった。

でもちょっとだけ…
怖いって思ってしまってる自分がいる。



「…ごめん。まだやっぱり……」



現実に起こってることだなんて思えないんだもん。


結城くんは「そっか」と呟いて、でもまた笑顔を戻して、



「まぁでも、俺は純血じゃないから。人間の血も入ってるからさ、他のヴァンパイアとは違う所もあるんだ」



明るい声で言ってきた。



「…違う所?」



いつの間にか身体の震えは止まっていて、私は素直に結城くんに問いかけた。

彼は、コクリと頷いて、



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