秘密の契約
特殊って…。
普通の吸血鬼でも怖いのに…
なんて事を考えていると、
キーンコーンカーンコーン…
「あぁ、もうこんな時間!」
部活動も終了の時間になってしまった。
このままだと作業が終わらないまま、完全下校時刻になってしまう…
慌てて結城くんの手をパッと離し、席に着いて作業の続きをしようと机を見ると…
「…え」
さっきまで山積みにされていた私が綴じなきゃいけない書類たちが全て綴じ終わっていた。
クスッと笑う結城くん。
「…あ、ありがとう」
「どーいたしまして」
本当にこの子は、不思議な力を持っているーーー
職員室に綴じ終わった書類を持っていき、下駄箱を出てみると、もう日が沈みかけていた。