秘密の契約
「もうそろそろ、俺等の時間だ…」
真っ赤な夕日、すぐそこには真っ暗な夜ーーー
結城くんはボソリと呟いて、
「帰ろう、日が沈み終わる前に」
「……っ!」
私に手を差し出してきた。
え、え!?
なに、この手を取れってこと!?
いやいや…、さすがに恥ずかしいーーー
私が躊躇していると、
「…わっ!!」
彼は強引に私の手を取って、急に走り始めた。
「ちょ、ちょっと、結城くん!?なんで走るの!」
風を切る音が妙にうるさい中、前を走る結城くんに訊ねた。
「…日が全部沈み終わったら、俺の正体が皆にバレる」
「…え?」