秘密の契約
「日が沈み終わると、人間の姿ではいられないんだ」
「……!」
ていうことは、あの銀髪で赤目で、鋭い牙がーーー
「昼間はどっちの姿でもいられるのにね。…夜は言うことをきかないんだ」
どこか遠い目をしながら結城くんがそんなことを言うものだからーーー
でも、少し寂しそうな顔をしている結城くんの横顔は、この世のものだとは思えないほどに美しかった。
気がつくと、もう家に着いていた。
「さ、帰りな」
するりと結城くんの手が離れる。
結城くんの髪の毛は徐々に銀色に近づいていた。
そっか…、もう変わるんだ
結城くんの秘密を知っているのは私だけ。
怖いんだか嬉しいんだか…。
「結城くん」
「…?」